'98将棋ブログ

関東・中部・関西・中四の同期4人が共同ブログを始めたようです

東北遠征記(Ray)

8/2~6の5日間(うち2日は移動だけど)、東北に行って来ました。

目的は高校選手権の観戦、及び広島勢・愛知勢・Twitterで繋がりのある高校生のみんなの応援です()今回はその5日間についてつらつら書こうかと思います。

(※注意:長い上、身内ネタを極力抑えようとした(抑えられなかった)結果、日本語が相当怪しくなったので適当に読み飛ばしてください!)

 

~Day1 8/2(Wed)~

大会会場は宮城県白石市。ということで、新幹線…といきたかったのですが、そこは貧乏学生。鈍行に揺られ、青春18きっぷで行くことに。

始発で京都から来られた立命館大学のMさん、Zさん、Fさんと名古屋駅で合流し、ガタゴト数時間。御三方はずっと寝ておられた…本当にお疲れ様でした。

…しかし、いつまで経っても魔境サイレントヒル(静岡)から抜け出すことが出来ない。Zさんの「18は静岡ゲーだよ…」という一言の重みを身をもって知ることに。

なんとか静岡を抜け出し関東圏に入った頃には、既に昼も良い時間になっていました。

Fさんと、横浜に実家があるZさんとはここでいったんお別れ。Mさんと二人でいよいよ北上の旅へ。

…と、その道中、あるすと宇都宮(栃木)で合流。彼埼玉県民のはずだけど、何故宇都宮で合流だったのか。まぁ良いか。

三人で喋ったり将棋指したりしてるうちに東北に入り、福島に泊まる予定だったMさんとは先にお別れ。ここから先、あるすと二人っきりになってからが悲劇の始まりでした。

れ「どこまで行く?18だし、値段は変わらないけど」

あ「明日になると移動料金発生しちゃうから、今日中に大会会場のある白石まで行ってしまおう」

れ「そうねー、まぁカラオケか飲食店か、どっかで一夜過ごせば良いよね」

そして着きました白石市。名古屋からの総移動時間は実に13時間!いやー疲れました。と  こ  ろ  が

れ・あ「ド田舎じゃん!(ド田舎じゃん…ド田舎じゃん…)」←エコー

もう、何もない!20分歩いて辿り着いたカラオケはもうすぐ閉まると言われ、都会であれば24時間やっているチェーン店でさえ、遅くとも23時には閉店してしまう。

ここはまずい、早く別の街へ…と、駅に駆け戻った頃には、10時台の終電が行ってしまったのでした…早いよ終電…

れ「どうする?野宿しちゃう?(ちょっと楽しい)」

あ「取り敢えずツイキャスしようか(一般人の発想)」

そして何故か、駅のベンチで駄弁りながら将棋を指し、配信を始める二人。

一時間ほど配信し、そこそこ居心地にも慣れてこのまま駅で一晩過ごすのも悪くないな~…と思っていた矢先。

駅員「じゃ、ここ閉めますんで」

れあ「アッハイ」

 

追い出されました。

 

あ「本当にどうしよう」

れ「取り敢えず大会会場に下見に行こうか(常識人の思考)」

駅から再び20分ほど歩き、大会会場へ(図1)f:id:shogi98:20170812012612j:image

既に日付は変わっていたので、当日の会場入り(?)一番乗りは私達だったと言っても良いでしょう(誇)。

しかし、会場周辺もド田舎であることに変わりはなく、ふらついて辿り着いたコンビニで…

み  つ  け  た  (図2)

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ベンチがこんなに輝いて見えたことはありません。

授業中に寝るのと同じスタイルで(良い子は真似しちゃダメだよ!)ベンチに座って軽く睡眠を取り、辛うじてその日は凌いだのでした…

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~Day2 8/3(Thu)~

A.M.4:30、起床。

れ「おはy…さっむ!」

東北の朝の冷え込みは想像以上でした(図3)。しっかりと風邪を引いて、大会初日の朝。

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れ「まだ早いし、どうやって時間を潰そうか」

あ「スマホの充電したいから、カラオケ探したい」

…ということでカラオケを求めて2駅先の大河原へ。というより、カラオケのために2駅&徒歩20分って…

充電を終え、着替えを済ませ、風邪を引いたため声が出ないカラオケも切り上げ、白石に戻った頃には大会も開会式が終わり、いよいよ一回戦…という緊張感漂う頃となっていました。

知り合いの対局を観戦したり、合間に声を掛けたり。本当に多くの方と接することが出来て良かったです。

特に個人戦で出場していた高校の後輩との再会は感慨深かったです。驚かせたくて、宮城まで来ることもずっと黙って、卒業してから4ヶ月以上連絡も取らずにいたので、「頑張って代表取ってもメールのひとつもくれないし!関係終わったのかと思ってもう二度と会えないかと!(怒)」…と怒られちゃいました。

しかし、どこまでいっても後輩達は可愛いもんで。高校竜王も頑張ってね。

結局この日は最後の対局まで観戦し、愛媛代表の子達と同じ宿で一夜を過ごすことが出来ました。それにしても高校生は元気だなぁ…途中から記憶が無いのだけれど、あの子らはいつまで大富豪してたんだろうか。

 

 

~Day3 8/4(Fri)~

この日も応援のため、会場へ。

N高校の顧問の先生が人手が欲しい、と仰ってたので棋譜取りのお手伝いをすることに。形ある応援が出来て良かったです。

決勝は会場に入ることが許されなかったため、N高校OGのNさんと一緒に大判解説会場で、顧問の先生からの速報をじっと見守ってました。

 

N高校は準優勝という結果でしたが、選手達はおそらく満足していないことでしょう。彼女達に限らず、この大会に参加した選手達全員に伝えたいことではありますが、来年がある選手は来年に向けて、そしてこれが最後の高校大会だった選手は、受験や就職に気持ちを切り替えて、次のステージに進む為の一歩を踏み出して欲しいと思います。

去年の私の時は、いつもは大会で負けても「この悔しさを次に活かそう」と前向きに捉えようと努めていましたが、最後の選手権で敗れてその「次」を失った時、言いようもない虚無感に襲われて耐えられなかった覚えがあります。今年で高校将棋を引退する選手達が、そんな思いをすることなく切り替えられたらそれが一番です。

 

大会が終わり、多くの方と別れを済ませた後、観光のため岩手へ。

電車の中では詰将棋を解いたりして過ごしました。観戦したことで非常にモチベーションは高まりました。高校生達に感謝です

盛岡でふらっと入ったラーメン屋が何故か熊本ラーメンの店だったりしましたが、そこからも電車を乗り継いで宿のある小岩井駅へ…しかし。

超ド田舎じゃん!?(残響する物すら無い)」

無人の駅から予約していた宿は6kmほど離れていたため、観念してタクシーを使おうかなどと思いましたが、そんなものはなかった。

歩きで行くしか無くなってしまったが、街灯が存在しないため道が分からない。

散々木とガードレールにぶつかりながら御所湖の繋大橋に辿り着き、遥かむこうに宿泊街の光を見たときの気分は、5体瀕死、1体どく状態で蝕まれながらポケモンセンターに辿り着いた時と良く似ていました。うーん、伝われ(図4)

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野宿で知った、屋根と壁の有難みを噛みしめながら、就寝。

温泉もたいへん気持ち良かったです。

 

 

~Day4 8/5(Sat)~

(以下イメージ画像でお送りします)

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とても楽しかったです。

22:30発東京行きの夜行バスで、東北をあとにしました。

 

 

~Day5 8/6(Sun)~

東京からは再び鈍行の旅…と思っていたのですが、盛大に間違って特急スーパーあずさ号に乗ってしまいました。

…つまり、18きっぷが使えない電車に乗ってしまったんですよねー。さようなら諭吉さん…

せっかくなので、中央線で長野を経由して帰ることに。非常に景色も良く、これはこれで、間違って良かったのかな。

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…などと心穏やかに過ごしていると、スーツケースが手元にない。

名古屋駅の忘れ物預かり所に相談にいくと該当するスーツケースが岐阜県で発見されました(笑)着払いで、さようなら英世さん×2…

 

…とまぁ、様々なことを経験した5日間でした。生涯忘れることはないでしょう。

今後も、大会の有無に関わらず大学生のうちに日本中を旅してまわろうと思います。

次は、どこへ行こうか。

 

 

 

 

 

横歩取り勇気流対策〜△7四飛ぶつけ〜 続き (やきとり)

前回→http://shogi98.hatenablog.com/entry/yktr6

 

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(基本図)

 

この局面の前例は二局あり、どちらも△2八飛(1図)と打っている。

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 (1図)

 

(参考)

・第30期竜王戦決勝トーナメント 羽生三冠 対 村山七段

・第76期順位戦A級2回戦 広瀬八段 対 稲葉八段

 

 一目△2八飛には、少なくとも良い手ではなさそうといった印象を受ける。と言うのも次の狙いに乏しいからだ。例えば1図で▲9六歩と一手パスして、以下、▲8八角成▲同銀△2七角には▲2九歩△3八飛成▲同金△同角成▲4五桂(参考図)まで一本道だが、流石に無理攻めだ。

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(参考図)

参考図は次の▲5五角と▲8三角が同時に受からない。

かと言って▲9六歩に△2六歩は▲2九歩で全然ダメ。

となると△2六飛成くらいで、これが何ともない……と考えていたが、次の△3五歩▲同歩△3六歩が厳しいことに気付いた。以下、▲4五桂と反撃しても△8八角成▲同桂△3七歩成は後手勝ち。

 

△2六飛成が意外と受けにくいとなれば、△2八飛には前例通り▲2七歩が正しい。次に▲3九金があるので▲2七歩には△2六歩が絶対手だ。このように進めるとかなりの手数が一本道で決まる。

即ち1図以下、

▲2七歩△2六歩▲3九金△2七歩成▲2八金△同と▲4九銀△3九と▲5八銀△3八と▲4五桂△8八角成▲同銀△4八と▲6九銀△8七歩(2図)

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(2図)

 

恐らく2図は△7四飛ぶつけの最新形と思う。

 

△8七歩に対応が分かれて、羽生ー村山戦では▲同銀△8八歩▲同金△5九角▲7九玉△5八と▲7七角(3図)と進んだ。

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(3図)

△5八とがはっとする手だが、▲7七角が冷静な受け。▲7七角に代えて▲7八金だと、以下、△8六歩▲7六銀△6九と▲同玉△4八角成でまだまだ難しいが、やや守勢すぎるきらいがある。

 

▲7七角以下、

△6九と▲同玉△4八角成▲1一角成△5七馬▲5三桂成△4一玉▲6八飛(4図)

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(4図)

▲7七角と打てばこう進むところ。

 

4図最終手▲6八飛に代えて▲1八飛だと、△5八歩▲同飛△同馬▲同玉に△3八飛が受けづらい。▲4八香には△5六歩、▲5七玉には△3三桂の味が良い。

 

4図以下さらに進めて、

△4二銀▲5八香△6八馬▲同玉△5三銀▲同香成△3八飛▲5八歩△5七歩▲5四角△5八歩成▲7七玉(5図)

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(5図)

 

5図で本譜は△7五金だったが、代えて△6四金(参考図)があった。

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(参考図)

実は△6四金は詰めろ角取りになっている。

例えば参考図で▲2一馬と指すと、△8五桂▲8六玉△7五金▲9六玉△9五銀▲同玉△9四歩▲8四玉△8三歩▲同玉△7二金▲8三玉△7三金までの詰みがある。△8五桂に▲6六玉と逃げても△3六飛成(▲同角は△6五銀で詰み)が好手でやはり詰む。

 

 ということで広瀬ー稲葉戦では2図で▲7七銀(6図)と手を変えた。なお、途中で▲8二歩△同銀の交換があったため羽生ー村山戦とは微妙に形が違っている。

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(6図)

本譜は6図以下、

△8八金▲同銀△同歩成▲同金△3三桂と進んだが、以下▲8五飛△8四歩に▲4一角が好手で先手が一方的に攻め勝つ将棋になってしまった。

かと言って△3三桂に代えて△8七歩▲同金△8六歩▲8八金△8七銀は、以下▲2六角△4二銀▲5六飛(参考図)が受けづらい。

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参考図で△6二金なら角と桂馬を切って▲5一飛から詰む筋があり、5筋は受からない格好だ。開き直って△8八銀不成も、▲5三桂成△4一玉▲5二金△同金▲同成桂△3一玉▲4八角と決めるだけ決めてからと金を抜いてしまえば先手勝ちだ。

 

6図で△8八金としても上手くいかないので他の手を模索するが、中々良さそうな手が見つからない。

 

そこでもう一度6図を冷静に見つめ直してみる。

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(再掲6図)

 

局面自体は後手の駒損(飛車金交換)で、4八のと金を頼りに攻め続けるしかない状況だ。おまけに4五の桂馬が5三を睨んでいるのも形勢に大きく関わっている。

 

パッと見△7三桂と応援を送りたいが、以下▲2六角△4二銀▲4八角と、と金を抜かれて自信なし。△8八金は前述の通りダメ。△5九角も▲7九玉と引かれて二の矢がないどころか、次に▲6八銀上を見せられて余計に忙しくなってしまう。

 

となると変化球気味に△6四角(7図)か。

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(7図)

7図以下、

▲4六角△同角▲同歩△4七角▲7九金(途中図)

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(途中図)

 △5八金▲同銀△同と▲7八玉△8八銀▲同銀△同歩成▲同玉△6五角成▲8五飛(8図)

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(8図)

やはり攻め切れない。

それならばと途中図で△7三桂と攻め駒を足してみる。△7三桂以下▲8三歩△7一銀▲8一飛△3三桂(9図)

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(9図)

……こちらは難解としか言えない。詰めろ流れの詰めろが頻出しそうでいくら読んでも読み足りない。したがってこれ以上は冗長なので割愛させて頂く。

 

横歩取り勇気流対策〜△7四飛ぶつけ〜まとめ〉

 

・△7四飛には▲同飛△同歩▲3八銀までが定跡

・そこで手が広いが、△2八飛なら下図までほぼ一直線

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・以下△8八金なら先手良しだが、△6四角で難解

うっかり三間飛車・先手▲5三角の変化〜後編〜

▲7六歩△3四歩▲5六歩(図1)

f:id:shogi98:20170807215505j:image(図1)

この局面は、なんとプロ公式戦の先手勝率が4割を切っていると言います。

原因は△8八角成▲同銀(同飛)△5七角からの馬作り。この後馬を引き付けて穴熊にさえ組めれば、後手はまず堅さ負けしない形を作ることが出来ます。

近年ではこの変化を嫌い、先手は中飛車を目指す場合初手▲5六歩と突くケースがほとんどです。無条件で馬を作らせてはならない、が定説の現状、こういった変化は避けられて来たのですが…

 

〜〜〜〜

 

 

(初手からの指し手)

▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△3二飛▲2二角成△同飛▲5三角(図2)

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(図2)

前編では、▲2二角成に△同銀と取る変化の一部を紹介しました。その記事の冒頭で「まだ先手が馬を作りに行った変化はプロ公式戦に現れていない」と書きましたが…

 

この記事を書いている7月20日、▲松尾-△菅井戦で遂に先手が▲5三角を打つ変化に飛び込みました。

▲2二角成に対する注目の応手は△2二同飛。今回紹介しようと考えていた展開です。

ところが、次の二つの図面を比較して頂きたい。

(図3)

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(再掲図2)

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図3は、初手から▲7六歩△3四歩▲5六歩△8八角成▲同飛△5七角と進んだ局面。

この局面を図2と先後を入れ替えて比較すると、図2は図3と比べ居飛車側が二手得し、飛車先の歩を伸ばしきっています。

ただでさえ振り飛車の勝率が悪い図3より条件が悪くなっているように思われ、「ならば何故今になってそんな条件の良くない展開に飛び込むのか」と訝ってしまいます。

しかし、今回紹介する変化では、なんと後手は「飛車先を伸ばした二手を咎める」という構想で戦いを進めて行きます。

そう、逆棒銀による飛車先逆襲です。

もしこれで振り飛車が戦えるとなると、対ゴキゲン中飛車丸山ワクチンが指しにくくなる(▲2二角成に△同飛で合流)などの連鎖反応が起こります。それだけに、今回の対局は非常に注目を集めました。

今回の記事では、個人的な研究手順と、その対局を並行して考察して、この戦法の成否に触れたいと思います。

 

~~~~

 

まずは、先述の松尾‐菅井戦の棋譜を見てみたいと思います。

(初手からの指し手)

▲2六歩△3四歩▲7六歩△5四歩▲2五歩△3二飛▲2二角成△同飛▲5三角△4二銀▲8六角成△6二玉▲7七馬(図4)

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個人的に、この▲7七馬は非常に大きな分岐となる一手であると考えています。

というのも、後手はいずれ△4四角と据えて△2四歩以下の飛車先逆襲を狙ってくる訳ですが、その時(角を打った時)に先手の馬の位置が

A.8六→7七桂又は8八銀として角成を防ぐ

B.7七→6六歩として角と馬の交換を防ぐ

…のように大きく異なる展開になる訳ですね。

Aの展開であれば、先手にとって

(長所)敵陣の5三~4二~3一地点を睨んで後手の駒組を制約出来る

(短所)馬が敵の右辺に利いていないため、飛車先逆襲が受けにくい

…といった側面が現れます。また、B.の展開であれば

(長所)▲6七馬~▲4五馬のように活用が見込める

(短所)馬の動きに非常に手数が掛かるため、駒組に手をかけにくい

…という展開になるでしょう。

松尾七段は最も早いタイミングで▲7七馬と引きました。おそらく、比較してBの展開を望んだ上で、先に△4四角と据えられる手を警戒したものと思われます。

実は、後手としてはそれほど焦って△4四角は打ちたくないのですが、それはまた後述します。

 

(図4以下の指し手)

△3三銀▲7八銀△7二玉▲6八玉△4四角▲6六歩△2四歩▲同歩△同銀▲6七馬△2五銀(図5)

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(図5)

…後手の方針は速攻です。△7二玉と一時的に玉形が安定した所で、すかさず△4四角~△2四歩と動きます。

対して、先手は▲6六歩~▲6七馬とするよりありません。

右の金銀が立ち遅れているため、正面から逆棒銀を受け止めることが出来ない形となっているのです。本譜も、最終手△2五銀に対し飛車を素抜こうと▲3四馬などとしようものならば、△同銀▲2二飛成△同角で将棋が終わります。私は検討で一回この変化に飛び込んで爆発しました()

 

(図5以下の指し手)

▲4五馬△6六角▲7七銀△3三角▲5四馬△5二金左▲7九玉△8二玉▲8八玉△7二銀▲7八金△2六歩▲5八飛(図6)

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(図6)

松尾‐菅井戦は以下のように進みました。細かい手の解説は省略させていただきますが、駒の損得は一切無く、先手は馬が活躍していることが主張、後手は美濃の堅陣と2筋の突破を主張する展開になります。

個人的に、居飛車の右の金銀の立ち遅れが非常に嫌な印象で後手を持ちたい局面かなと考えています。良い勝負だと思いますが、先手は手を作れなければ焦らされる展開です。

実戦は、中盤を巧みに指し回した菅井七段が勝ち。終盤の見切りも恐ろしく、順位戦にも関わらず早い時刻での終局となりました。

 

~~~~

 

前述の順も決して優劣がついている訳ではありませんが、先手は致し方ない手を続けていただけにも関わらず、非常に嫌味を付けられる展開となってしまっています。

これで後手が指せるなら、馬作りは怖くない…と思えそうな所ですが、そう簡単にいくはずもありません。

あくまで個人的な研究による見解ですが、結論から申し上げると、Aの展開(▲8六馬の状態で角打ちに対し▲7七桂)の方が先手は面白いのではないか?と考えています。

(図2(▲5三角)以下の指し手)

△4二銀▲8六角成△6二玉▲6八玉△4四角▲7七桂(図7)

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早々に後手が△4四角を据えたと仮定して見ていきたいと思います。

代わる手も難しいですが、後手が△4四角に▲8八銀と受けられるのを嫌うならば、▲7八玉と寄られる前のこのタイミングで角を打つでしょう。

(図7以下の指し手)

△7二玉▲4八銀△3三銀▲4六歩△6二銀▲4七銀(図8)

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(図8)

…とにかく、一手一手が難しい。

▲3八銀ではなく▲4八銀と上がったのは、飛車先逆襲を受ける形が、▲3八銀より△3八金の方が金銀の自由度が高いため。後手の△6二銀は、早囲いを完成させつつ▲4五歩に△5三角と馬にぶつける手を作ったもの。 

この展開は先ほどのBと比べ、先手は玉形にあまり手を掛けてないぶん、右の金銀の活用が望めます。

(図8以下の指し手)

△2四歩▲同歩△同銀▲3八金△2五銀▲3六歩△5三角▲7五歩△3五歩▲同歩△2六銀▲2七歩△3五銀▲3六歩△4四銀▲7六馬(図9)

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先手はとにかく右の金銀の活用を急ぎ、ツノ銀の好形を目指す。

後手は一方的に歩交換を重ねポイントを稼ぐ。

良い勝負ではあるが、図9の先手陣の形は安定しており、馬の活用も見込めそうである。よって、一方的に歩を打たされた不満は残るが、馬を作った代償としてはまずまず序盤を乗り切ったと言える展開ではないでしょうか。

 

~~~~

 

2回に渡ってうっかり三間飛車に▲5三角を打った展開を調べてみましたが、簡単にまとめると

1.▲2二角成に△同銀

→後手は飛車角交換の権利を握ることができるが、先手の馬が残りやや先手指しやすい

2.▲2二角成に△同飛、▲7七馬で△4四角

→先手は馬の自由度は高いが、右の金銀が立ち遅れるため主導権を握りにくい

3.▲2二角成に△同飛、▲8六馬で△4四角

→先手は徹底的に収める方針。一方的に歩を謝らされるが、好形を築いてまずまず

 

…といったところではないでしょうか。

そもそもですが、先手は別に馬を作らなくても、普通に組み合って一局の将棋としてなんら不満はありません。しかし、より良さを求められる変化があるなら飛び込みたいし、それで勝てるなら研究のし甲斐もあったというもの。

この研究記事が最善を示しているという訳ではありませんが、この記事を読んでくれた方々が▲5三角に踏み込んで勝つことの出来る日が来るならば、記事を書いたものとしてこれ以上の喜びはありません。

長い記事になりましたが、お付き合いありがとうございました。

 

横歩取り勇気流対策〜△7四飛ぶつけ〜 (やきとり)

今回は横歩取り勇気流対策の△7四飛ぶつけを研究していく。

 

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 (基本図)

 基本図までの手順は省く。

 

基本図以下、

△5二玉▲3六歩△7六飛▲3七桂△7四飛(第1図)

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(第1図)

 

△7四飛とぶつける筋は、第30期竜王戦決勝トーナメント羽生三冠対村山七段で指された。後手が誘導できる可能性が高く、激しい展開になりやすいので事前研究がモノを言う将棋だ。

 

第1図からは

1.▲3五飛

2.▲3五歩

3.▲同飛

がある。

 

1-1.△7四飛に▲3五飛

▲3五飛以下、

△8八角成▲同銀△2六角(第1-1図)

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 (第1-1図)

第1-1図以下、

▲4六角……△3五角▲同歩△3六歩を防ぐ

△3五角

▲同角

△2九飛……△1九飛成を見せて急がせる

▲8三角……▲2二歩には△3三桂、▲4五桂には△4四歩で後手良し

△4二銀……▲5三角成△同玉▲6一角成を防ぐ

▲8二歩

△同銀

▲7四角成

△同歩

▲4六角……▲8二歩△同銀を利かせておかないと、ここで△1九飛成とされる

△6四歩……▲同角なら△7三銀で後手良し

▲2八飛

△同飛成

▲同銀

△2七歩(1-1結果図)……どう応じても△2九飛で良い

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(1-1結果図)

 

1-1結果図は後手良し。△2九飛を見て先手は暴れてくるが、冷静に対処すれば問題ない。途中の△6四歩は覚えておきたい手筋だ。

 

 

1-2.△7四飛に▲3五歩

▲3五歩以下、

△3六歩▲4五桂△8八角成▲同銀△3七歩成(第1-2図)

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 (第1-2図)

 

第1-2図以下、

▲8三角……▲2七角があるため忙しい

△3四飛……▲4五桂成〜▲6一角成があった

▲同歩

△7二角……手堅く受ける

▲6五角成

△3八歩(1-2途中図)

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(1-2途中図)

1-2途中図以下、

▲3三歩成△同桂▲同桂成△同金▲2一飛△4二銀▲1一飛成△3九歩成▲同金△6四歩(1-2結果

図)

 

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(1-2結果図)

 

手順は長くなったがほとんど一本道である。途中の△7二角が参考にしたい受けだ。

 

1-2結果図は△6四歩がピッタリとした手で後手優勢。△7六桂があるため▲7五馬と逃げるくらいだが、利きが逸れたため△4七とと活用できる。

 

1-3.△7四飛に▲同飛

第1図以下、▲同飛△同歩として第1-3図

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(第1-3図)

 

結論から言うと第1-3図では▲3八銀が最善となる。

・第1-3図以下、▲4五桂△8八角成▲同銀△2七角(参考図1)

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(参考図1)

・第1-3図以下、▲3三角成△同桂▲2一飛△5五角(参考図2)

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(参考図2)

・第1-3図以下、▲3三角成△同桂▲4六角△7三角▲2一飛△4六角▲同歩△4七角(参考図3)

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(参考図3)

 

 上の例を見ると分かるように、▲3八銀は必要な一手だ。

 

実はここまでの内容は▲3八銀に至るまでの重要な変化をまとめたものになる。即ち、第1図以下▲7四同飛△同歩▲3八銀までが絶対手であるということだ。したがって▲3八銀の局面を改めて△7四ぶつけの基本図として、次回以降その後の展開を見ていく。

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(基本図)

 

 

明日から本気出す(ふりーじお)

自分でも恐ろしいくらいのサボリ癖。

最近はシャドバをしていて忙しかったので将棋自体サボってたので記事がかけませんでした。

あれなんですよね、最近将棋面白くないしちょっとやめたら面白くなるかも、って感じで(久しぶりにポケモンやると楽しいアレ)指さない→弱くなって勝てなくなる→面白くない、って感じのループに入るんですよね。

とりあえず研究はできていないので久しぶりに指した銀冠穴熊の将棋だけ紹介させていただきます。

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銀冠穴熊に対しては振り飛車側が早く角交換を仕掛けるあるいは右玉のような形にするといった作戦が考えられますが、相手はゆっくり駒組みしてきたのでこちらも銀冠穴熊を完成させました。(単調すぎて序盤の検討箇所が...)

 

 

図からの指し手

65歩 86歩 33角成 同金上 71角 52飛 86歩 59角 69飛 86角成

 

86の馬が53に効いてこちらが良くなりました。65歩に対しては77角成同桂86歩が優ったようです。同歩同飛75角にも76飛でこちらが良いようで、自玉が堅いのでこちらを選ぶべきでした...。

本譜52飛車に53角成同飛42銀あたりだと思っていたんですがそれは52飛33銀成同金64歩87歩成63歩成88飛でどうか。形勢は互角だと思いますが玉が遠い分振り飛車が指しづらいんですかね(僕は自信なかったですが)

 

銀冠穴熊を指してて思うのはとても指しやすいということです。組み方にあまり注意もいらないですし穴熊に不慣れな人も割と挑戦しやすいのではないでしょうか。

ただ玉頭戦には注意が必要です(図で言う25歩)。僕も幾度となくそこを突かれてシビれてきたので、そこだけは繊細になる必要があります。

 

それでは皆様良い銀冠穴熊ライフを!

(次回はちゃんと研究記事書きたいなぁ)

 

 

 

言い訳して良いわk…

▲5三角(後編)の投稿遅らせまくっててごめんなさい!

 

試験週間と重なったり、急遽広島に帰ることになったりと時間が取れなかったのも言い訳にもなりませんが、何より

ソフトの示す手順が理解出来ない!

 

ソフト「いったん8六に角成るじゃん?」

俺「8六に角を成る。」

ソ「次の手は▲7五馬(86)」

俺「んんwww分からんwww」

…といった具合で、まだ戦法そのものの研究が遅々として進んでおりません。来週までにはケリを付けてやりたいと思っています。

 

 

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そんなこんなしてるうちに、菅井八段が王位戦で開幕二連勝を決めましたね。いやしかし、二局目のオープニングはなんと

▲5六歩△3四歩▲7八飛(!)先手番うっかり三間飛車とでも言うのでしょうか。

ここまで菅井八段が▲5六歩▲7八飛(△5四歩△3二飛)に拘る理由としては、この形における次の二点が主張だと考えられます。

 

(1)左銀を中央に繰り出しやすい

(2)相手の飛車先突きを催促している

 

角交換振り飛車特有の筋である▲4五角問題は5筋の歩を突く(△5四歩)ことにより解決しています(その代償としての▲5三角の成否を調べている訳ですが)。

この一手により、

・▲4五角が無いから3筋まで飛車を回ることが出来る

→飛車が3二に居るから、左銀を△4二銀~△5三銀~とスムーズに活用出来るようになる

→△5四歩が一石二鳥!

…といった流れにより、一見脈絡のない△5四歩△3二飛で(1)の主張を示すことが出来ているというのは重要なポイントでしょう。

 

(2)については、研究がしやすいという実践的(×実戦的)なアドバンテージでは無いかと邪推します。

現に、菅井八段の棋譜を見ると、非常に類似した局面が頻出している。

マチュア的にも、誘導率が高い局面は研究しやすいだけでなく、経験値を積みやすいため、序盤で時間を節約することが出来るという実利が得られるでしょう。

 

深くまで理解するには非常に時間と根気を要する戦法ではありますが、研究してみる価値のある戦法だと思っております。

 

未だこの程度の大雑把な把握しか出来ておりませんが、来週までには研究をカタチにして投稿出来たらなー…今しばらくお待ちください。

 

p.s.明日から宮城に行って来ます。

研究はしないのか、って?ふふ(汗)

しょーもない現状報告(あるす)

セミたちの喧騒に囲まれながら外出し、ひぐらしのなく頃に図書館に籠もり、

静けさに包まれて帰路につく生活を送ってます。

 

非常に暑いですね。

 

世間ではいくら節約節約と叫ばれていても、こう暑くてはエアコンもガンガン稼動させてしまいます。仕方ない。人間は各々がその人生で主人公として生きているもの。自分が中心。仕方ない、仕方ない。

 

 

最近このブログの4人は、やる気ある組と記事書けない組に二分されてしまってますね。

 

将棋ブログと銘打っておきながらこの記事は将棋についてほとんど書かれてないですがご容赦を。

 

 

 

最近軽くうつになりましてTwitterを離れ、しばらくして試験期間に入ったため全然ツイートしておりませんでした。
 

うつの時何を考えてたか思い出そうとしても、何も考えていなかったことしか思い出せないです…

 

記憶に残っているのは、クリーム色で周囲1mしか映らない視界と何も聞こえない聴覚。白昼夢ってこんな感じなんですかね?

 

注意力が極端に下がって車にはねられかけても恐怖心を感じる余裕もなく、ただ何も興味を持てない状況でした。
 

無気力のまま棋書を眺めてたら将棋やる気になってきて回復したので今回ばかりは将棋をやっていたことに感謝です。

 


試験期間に入り、Twitterをあまり触らずに余った時間を何に使っているかと言えば、

 

当然勉強!と言えればよかったのですが主に読書してました。

 

 

2年ぶりくらいで小説を読みました。

 

森博嗣著『喜嶋先生の静かな世界』

おすすめです。大学生、特に理系の方に読んでみてもらいたい。
 

森信者の私ですが、講談社のVシリーズが一番好きで、おすすめです。女装少年も登場しますし。

 

そのシリーズの『黒猫の三角』が皇なつきさんによって漫画化されているのを最近知って読みました。原作に忠実すぎてこちらが原作かと思うほどのクオリティでした。小説読むの面倒だけど漫画なら…って人は読んでみては?

 


そろそろ夏休みに入りますが、まずは8/3の高校選手権in宮城に行く予定なので、次の記事はこれになると思います。