'98将棋ブログ

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関東・中部・関西・中四の同期4人による共同ブログです

横歩取り勇気流の基礎知識 (やきとり)

 

今回は横歩取り勇気流の基礎知識についてまとめていく。

 

横歩取り勇気流は佐々木勇気六段が得意としている形で、棋風通り攻めに適した作戦だ。タイトル戦で指されるなど注目度が高く、同時にこの戦型の優秀さを示している。また、類似形に青野流があり、その違いは玉の位置が5八から6八に変わっただけ。その違いを意識しながら読み進めほしい。

 

 

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(基本図)


上図を基本図とする。
なお、基本図までの手順は省かせていただく。

 

基本図以下は、
1.△8八角成▲同銀△2七角
2.△7六飛
3.△8五飛
4.△2二銀▲3六歩△8二飛▲3七桂
が考えられる。

 

 

 

 

 

1.△8八角成▲同銀△2七角(第1図)以下、

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(第1図)
▲3八銀△4五角成▲2四飛△2二歩▲7七桂△5二玉▲8七銀△8二飛▲8六歩
と進み結果図1。

 

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(結果図1)

角交換から△2七角は初めに考えなければならいけない勇気流特有の筋だ。青野流なら4九の金には玉の紐がついているためこの筋はない。

△2二歩に代えて△2三歩が自然に見えるが、以下▲2五飛△4四馬▲7七角で馬が消せ、手順に桂馬も跳ねられるため文句なしに先手が良い。▲2五飛に△3四馬なら▲6五飛とし、▲6三飛成と▲7七角の両狙いが受けられない。

結果図1まで進むと馬を作らせた代わりに先手だけ何手も指したような形になっており、作戦勝ちと言える。

ちなみに、▲7七桂に△7六飛なら、以下▲8七銀△7五飛▲6六角△7四歩▲7五角△同歩▲8三飛△8二歩▲8五飛成と竜を作っておいて先手が良い。途中どこかで△7四飛とぶつける手は、▲同飛△同歩に▲8五飛の両取りがある。


2.△7六飛(第2図)以下、

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(第2図)

▲3六歩△5二玉▲3七桂△7五飛▲3八銀△2七歩▲2九歩
として結果図2

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(結果図2)


△7六飛は青野流に対しては有効な手で、もし先手玉が5八にいたら△7六飛が△8八角成を見ているので、先手に受けを強要させることが出来る。


しかし勇気流なら玉が6八にいるため、△7六飛に▲3六歩と指せる。以下△5二玉▲3七桂に△7五飛として桂跳ねを牽制し、▲3八銀には△2七歩▲2九歩として謝らせるも、結果図2は先手有望な序盤だ。


▲8四飛や▲3五飛、飛車がずれたら桂馬を跳ねられるなど、先手に手段が多い。

 

(ちなみに勇気流が指され始めるようになったのは、青野流だと△7六飛に▲7七桂や▲7七角と指すことになり、そのどちらも先手が芳しくないから、という背景がある。)

 

 

 

 

3.△8五飛(第3図)以下、

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(第3図)
▲3六歩△8六歩▲3三角成△同桂▲7七桂△8二飛▲8八銀
として結果図3

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(結果図3)


△8五飛は△8六歩や△2五飛の狙いがある。対して先手は▲3六歩。ここで△2五飛が気になるところだが、▲2八歩で一局だ。

 

▲3六歩に△8六歩は積極的に良くしようとする手だが、▲3三角成〜▲7七桂が好手順となる。▲3三角成に△同金なら▲3五飛とする。以下△同飛▲同歩なら、後手の3三金の位置が悪く後の▲3四歩や▲4五桂が金に当たってしまう。△同飛に代えて△8二飛でも、▲3七桂〜▲4五桂を狙って指せば良い。

 

結果図3は手順に桂馬を跳ねられて先手良し。最終手▲8八銀では、代えて▲8三歩のような手もありそうだ。

 

 

 

 

4.△2二銀▲3六歩△8二飛▲3七桂(第4図)

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(第4図)
には
1.△8八角成▲同銀△3三銀
2.△4二玉
がある。

 

4-1.△8八角成▲同銀△3三銀(第5図)以下、

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(第5図)
▲8三歩△同飛▲8四歩△8二飛▲3五飛△8四飛▲6六角△8二飛▲4五桂
と進み結果図4-1

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(結果図4-1)


第4図からは△4二玉が本筋だが、こちらは非常に勇気流らしい展開になるので紹介しておく。

 

△3三銀に▲8三歩〜▲8四歩〜▲3五飛が上手い手で、結果図4-1まで進めば飛車・角・桂馬が目一杯働いていて気持ちが良い。

 

結果図4-1以下は一例として、
△4四銀▲同角△同歩▲8三歩△7二飛▲3二飛成△同飛▲4三金△5二飛(参考図)

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(参考図)


が考えられる。このように積極的に攻めていけるのが勇気流の特徴だ。

 

 

 

4-2.△4二玉(第6図)以下、

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(第6図)
▲3八銀△2三銀▲3五飛△2四銀▲6五飛△8八角成▲同銀△6四歩▲6六飛△5五角▲7五角△3三銀▲7七桂
として結果図4-2

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(結果図4-2)

 

△2二銀〜△8二飛〜△4二玉は徹底的に先手の攻めを抑える構えだ。これが打開出来なければ自然と苦しくなってしまう。

 

上の手順を1手1手詳しく見ていく。

 

▲3八銀は指しておきたい手で、▲3八銀▲4九金の形は好形と知られている。


▲3八銀に△8八角成〜△2八角なら、
以下▲8三歩△同飛▲8四歩△8二飛▲3五飛△1九角成▲8五飛(参考図)

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(参考図)


で先手が互角以上に戦える。

 

したがって△2三銀として飛車をいじめにいく。

 

△2三銀に代えて△1四歩などとのんびりしていると、▲8四歩△2三銀▲3五飛△2四銀▲8五飛と飛車に逃げられてしまう。▲3五飛に△8四飛だと、飛車が流れ弾に当たりやすい位置に来たため▲4五桂から攻めていける。具体的には▲6六角や▲7五角が飛車取りの先手になることを利用する。

 

△2三銀▲3五飛には△2四銀として、簡単に2筋に飛車を帰らせない。


▲6五飛には、以下△8八角成▲同銀△6四歩と王手飛車含みに先手で▲6三飛成を受ける。


▲7五角にはすぐに飛車を取らず△3三銀が筋で、自陣を引き締めて戦いに備える。


そして▲7七桂と左桂を活用して結果図4-2に至る。


結果図4-2は両桂馬が跳ねられ、活用も見込める形で先手ペースだ。

 

 

以上が横歩取り勇気流の基礎知識となる。

・なぜ▲5八玉ではなく▲6八玉なのか

・△2七角の筋にはどう対応するのか

この2点がポイントだ。

 

 

次回は何について書くか未定です。

 

うっかり三間飛車・先手▲5三角の変化~前編~(Ray)

最近、菅井七段が公式戦で用いて結果を残している戦法があります。

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(図1)

図1は、初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩というゴキゲン中飛車模様のオープニングに対し、6手目△3二飛と回ったもの。

正式な名前が決まっていないのか、界隈では「うっかり三間飛車」と呼ばれているのをよく目にします。従ってここでもそう呼ばせていただきましょう。

 

図1の局面ですが、誰しも一目「▲2二角成△同銀(同飛)▲5三角で馬が作れるのではないか?」と考えたことがあるはず。

残念ながらそう進んだプロ公式戦の前例は無く、アマチュア的には飛び込み辛い変化となっているのが現状です。

しかし、もし大会などでこう指された時に「知っている」と「知らない」の差はあまりに大きい。出来れば事前に「いけるのか」「いけないのか」「その理由は」を自分なりに整理しておきたいと思い、今回、二回に分けて記事にしようと思った次第です。

稚拙な棋力とソフトを使って読み進めたいと思いますが、双方が最善を尽くした手順を挙げられるとは思っておりません。予めご容赦願います。

 

 

(図1以下の指し手)

▲2二角成△同銀(図2)

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(図2)

今回の記事を前編、後編に分けた理由はここにあります。

そう、▲2二角成を△同銀と取るか△同飛と取るか。

読み進めたところ、この二つで全く異なる展開の将棋になることが分かってきたので別々に分けることにしました。

今回は△同銀と取った変化について調べて行きたいと思います。

 

(図2以下の指し手)

▲5三角△3五歩▲8六角成△3六歩▲同歩△5五角(図3)

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(図3)

▲5三角に△3五歩が三間飛車の顔を立てる一手。次に△4二角を見せて、先手の手を限定しています。

▲8六角成のところ▲7五角成もありますが、▲5五角と打たれた時、反撃の味を見せて7七桂と跳ねてみたいため、こちらが優るのではないでしょうか。

△3六歩に▲同歩は致し方ない一手。▲4八銀などでは△5五角▲7七馬△同角成▲同桂△5五角(図4)で馬を消された上に二枚換えを狙われ先手厳しいでしょう。

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(図4)

(図3以下の指し手)

▲7七桂△6二玉▲3八金△3六飛▲3七歩△3四飛(図5)

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(図5)

▲7七桂に対し、飛車に飛び付かずじっと△6二玉が肝要の一手。5三の地点を受けなければ、後の▲6五桂が受からなくなります。

対して、先手も飛車を逃げることは出来ません。▲1八飛のような手では△3六飛と走られて先手面白くなく、次に飛車取りを防げる形にするためには▲3八金の一手しかありません。

ここでも後手は飛車を取らず△3六飛。以下▲3七歩△3四飛と進んだ第5図では、先手は馬を主張し、後手は持ち歩の主張とバラバラな敵陣を咎める方針。個人的には居飛車まずまずだと考えていますが、ここまでの手順が後手にとって非常に誘導率が高い局面であることから、研究のしやすさ、経験値の積みやすさが大きく後手も相当戦えるのではないか、とも思います。

 

今回の記事はごくごく一部の、出現率の高い変化を切り取っただけのものです。

次回の投稿では、▲2二角成に同飛と取った展開を読み進めていきます。

対ツノ銀雁木 早繰り銀(やきとり)

 

今回は対雁木の早繰り銀を見ていく。

 

雁木と言えば最近密かに流行り始めている戦型である。筆者は雁木にはこう指すという形を一応考えてはいたが、少し気になる筋があり課題となっていた。それが先日、ある棋書を読んでいたところ解決するアイデアが閃いたため、急遽予定を変更することとなった。横歩取りの記事もいつか投稿するのでご容赦願いたい。

 

 

 

初手から基本図まで
▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲6八玉△4二銀▲4八銀△4三銀▲2五歩△3二金▲3六歩△8四歩▲7八銀△8五歩▲7七銀△6二銀▲7八玉△6四歩▲5六歩△6三銀▲5八金△7四歩▲7九角△4一玉(途中図)▲2四歩△同歩▲同角△2三歩▲6八角△5二金▲3七銀△5二金(基本図)

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(途中図)

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(基本図)

 

途中図から飛車先の歩を角で交換するのがポイントだ。手順に▲6八角型を作り、△6五桂▲××銀の局面での△8六歩を防ぐ。

 

以上の手順を踏まえて対ツノ銀雁木早繰り銀の基本図に至る。先手の陣形は玉をできるだけコンパクトに固めた上での速攻を狙いにしている。その際▲6八角型を作るのが本ブログ推奨の形だ。これを見つけるまでは▲7九角型で指していたのだが、早繰り銀が決まっても相手の玉頭攻めが厳しく勝ち切るまでが大変だった。

 

 

 

基本図からは
1.▲2六銀
2.▲3五歩
を見ていく。

 

 

1.▲2六銀(第1図)以下、

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(第1図)
△4五歩…角道を開ける
▲1五銀
△7五歩…味をつけておく
▲同歩
△4四角…受けの形。
▲3七桂…▲2四歩は攻め切れない
△1四歩…強く催促する
▲2四歩…当然の踏み込み
△同歩
▲同銀
△8六歩(結果図1)

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(結果図1)

 

▲2六銀は小細工無しの速攻だ。シンプル故に、これで雁木が潰れるのなら話が早い。

 

△1四歩が大胆な一手で、▲2四歩から歩を交換させて、一歩手持ちにした後△8六歩と反撃する狙い。

 

結果図1は△8六歩以下の継ぎ歩攻めが厳しく後手優勢だ。

 

以下▲同歩△8五歩▲2三銀成△8六歩▲8八歩△2三金▲同飛成(参考図)の局面は△8七銀から先手玉が詰む。

 

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(参考図)

 

この詰みは▲6八角型の弱点をモロに突かれた形だ。壁形故に△8六歩▲同歩△8五歩〜△8六歩▲8八歩の展開が非常に厳しい。


また、参考図の局面で△2二歩と打たれると竜を引くしかないことに注目したい。△4四角が攻めにも受けにも利いている。

 

以上から、△4四角と△8六歩からの継ぎ歩攻めを警戒しながら攻めなければいけないことが分かる。

 


2.▲3五歩(第2図)以下、

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(第2図)
△同歩…△4五歩には▲3六銀が攻めの好形となる
▲4六銀
△4五歩…△3六歩には構わず▲3五銀と出られて困る(補足あり)。
▲2四歩…細かいところだが、これ以降の▲2四歩は手抜かれる可能性がある
△同歩
▲3五銀
△7五歩…ここから反発するのが自然
▲2三歩…より厳しく攻める
△同金…角のライン攻めが生命線なので、角を逃げたり責められる展開にはしたくない
▲2四銀(結果図2)

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(結果図2)

 

後手が反発するなら△7五歩からが自然だ。桂馬を跳ねていく展開になるので、後の△7六歩や△7七歩を作るのが大きい。また角のライン攻めにもなっていて破壊力がある。

 

しかし、結果図2は先手の速攻が決まった形だ。手順中△4四角や△8六歩を指す暇を与えていない。

 

以下△7六歩▲6六銀△2四金▲同飛△3三銀▲2三飛成△2四歩▲2五歩(参考図)が一例となる。

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(参考図)

 

飛車を取られる展開になるが、先手陣は飛車に強い陣形なため問題無い。▲6八角によって8筋の攻めを受けていることにも注目したいところだ。

 


✳︎補足


本譜△4五歩に代えて△3六歩も手筋の一着で考えられるところだ。しかし△3六歩以下、▲3五銀△3七歩成▲同桂△3六歩▲2五桂△3七歩成▲2六飛(参考図)

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(参考図)


と進むと完全にお手伝いになってしまう。歩切れになるのも痛い。この手筋を使う際は、上の手順のように進めてどうかを読んでから指したい。

 

 

 

以上で対雁木早繰り銀の紹介を終える。この形は玉をコンパクトに固めたまま先攻出来るのがウリだ。ポイントは▲6八角型を作ることで、これによって相手からの玉頭攻めを緩和している。

 

 

 

追記

先日kindleで大規模セールがあり、数十冊の棋書を60%オフで購入しました。内訳は定跡外伝、B級戦法の達人、奇襲破り辞典……などなど。これだけ見ると定跡形を外して楽に勝とうという魂胆が見え隠れするようですが、違います。色んな手を知って、それを他の戦型に応用できないかというのが本心です。そうやって出来たのがこの記事で、▲6八角が閃いた時は1人興奮していました。今回のように、今後も急な思い付きで予定を変更することがあると思いますが、そこはお許しください(笑)

私と3人の出会い(Ray)

おカタい記事が続いたので、たまには小噺程度しても許されるよね(?)

 

このブログについて、そもそも共同ブログを始めよう、とあるすやきとりふりーじおの3人に持ち掛けたのは、他ならぬ私です。

 

ですが、この4人を4人とも知っておられる方は殆ど居ないと思います。それぞれ地方すら別々の大学に通っている訳ですし…

 

しかし、ならば何故このメンバーになったのか、くらいは振り返ってみるのも面白いかと思って今回筆を執り、改めPCを立ち上げ、投稿しようかと。備忘録みたいなもんなんで、適当に読み飛ばしてください

 

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最初の記事に書いた通り、ふりーじおとは中高の同級生です。3度ほど同じクラスになりましたし、最後の二年間に至っては出席番号まで隣でした。

当然、家庭科の調理実習で同じ班になり。

言ったっけ?あの時は砂糖と塩間違えてすいませんでした。

 

中二から高三まで五年間、団体戦で仲間として戦い続ける一方で、高校十傑戦の準決勝や、高校竜王の県予選決勝といった舞台でも当たりました。

そんな訳で、私の将棋は彼が一番よく知っているだろうし、彼の将棋もおそらく自分が一番知っているだろう、と思い今回メンバーに入ってくれないかとお願いした次第です。

まぁこれからも末永く頑張って行きましょう

 

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あるすやきとりの存在を初めて知ったのはTwitterです。私が高一の時には既に「そういうご時世」って感じでしたね。

 

高一の冬に島根県で新人戦の中国大会があり、やきとりは鳥取代表として、私(とふりーじお)は広島代表として会ったのが最初です。

一日目の夜に将棋を指したりスタバに行って色々話したり(鳥取には無かったが、島根には辛うじて存在した)して親交を深めて以来、全国大会のたびに会ったりして今に至ります。

今年のGWに私が帰省したタイミングで広島で中四国大会があり、やきとりがうちに泊まりに来て以来将棋の話でこまめに連絡を取っていて、今回メンバーに入ってもらいました。秋中四は愛媛に泊めてね♡

 

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あるすとは、ネットでの団体戦を企画して連絡を取り合って以来、何故か意気投合して今に至ります。お互い、やったら強くて憎たらしい後輩を持った所為でしょうね。

リアルで初めて会ったのは、高一終り頃の学生選手権の、行きの電車の中でした。

初対面でばったりってのも変ですが。お互いネット弁慶なもんで沈黙がいたたまれず乗り換えではぐれた覚えが…

当初は同じ大学を目指していたりもしましたが、未来なんて読めたもんでもなく。まぁ今という結果も決して否定するものではないでしょう。お互い良い大学生活にしていきたいね

 

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3人に伝えたいのは、こうして地方もバラバラに分かれた今、ネットで繋がることは簡単だけど、それだけで満足したくないよね、ということ。

 

つまり、富士通杯、学生王座戦、学生名人戦

それぞれの地方で優勝して、全国大会で会いましょう。

 

 

p.s.結局堅い話になってしまった…

 

角換わり▲4五桂速攻 対△3四銀・△4四銀(やきとり)

 

今回は、前回に続いて2.△3四銀と3.△4四銀を見ていく

 

2.△3四銀
△3四銀(第1図)以下、

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(第1図)
▲2四歩△同歩▲6六角△4四角▲2四飛△2三金▲同飛成△同銀▲2二歩△3三桂▲同桂成△同角▲同角成△同玉▲2一歩成
として結果図2

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(結果図2)


▲2四歩△同歩を入れてから▲6六角と打つのが手順を尽くした攻めだ。


▲2四歩に△4四歩なら、以下▲2三歩成△同金▲2二角で良く、▲2三歩成に△同銀なら▲3四角!がある。


また、第1図から単に▲6六角には、以下△4四角▲2四歩に手抜いて△5二金とされ、▲2三歩成△同銀で手がない。角を先に手放してしまったせいだ。


相手が取るしかないタイミングで歩を突き捨てるのが筋というものである。


結果図2は、まだまだ難しいものの先手が勝ちやすい形である。

 

また部分的な形として、△3四銀の受けには▲5六角もある。▲5三桂成から銀を抜く狙いだが、この場合は桂馬を渡すと△3六桂があり、得しているとは言い難い。しかし場合によっては有力な時もあり、読み筋に入れておくと良い。

 

 

3.△4四銀
△4四銀(第2図)以下、

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(第2図)
▲3四角△4一角▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2九飛
として結果図3

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(結果図3)


実は3筋の突き捨てを入れた▲4五桂には△4四銀が強敵となる。一見利かされているようだが、3筋の突き捨てが指しすぎだと主張している。
▲3四角に代えて▲2四歩とし、以下△同歩▲同飛△2三歩▲2九飛などとのんびりしていると、△3六歩と伸ばされ身動きが取りにくくなる。


したがって第2図で▲3四角と打ち、後手の△4一角もこれくらいだ。▲3四角に△4一角は一つの受けの形なので覚えておきたい。

 

ちなみに飛車先の歩を交換してから▲3四角と打つと、△2四角という受けもある。△4一角に限定する意味でも先に角を打つ。

 

結果図3は互角としか言いようがないが、勢い良く仕掛けた先手にとっては不満が残る展開かもしれない。以下は筋違い角の使い方がポイントとなる。

 

 

ここで面白い筋があるので紹介しておく。
再掲結果図3以下、

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(再掲結果図3)

△1四歩▲1六角△5二金▲3七銀△1五歩▲2七角△2四歩▲3八角△2三金

として参考図。

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(参考図)

 

参考図以下、▲2二歩△同金▲2四飛△2三金▲2九飛△2四歩▲2二歩〜と千日手にする筋がある。

 

この筋は後手が△3四銀△2三金△2四歩などの形の場合にも現れることがある。覚えておくと役に立つ日が来るかもしれない。

 

 

 

<▲4五桂速攻まとめ>

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(基本図) 

 

基本図以下、

▲3五歩△同歩▲4五桂が本ブログで扱った仕掛け。

 

▲4五桂に対して銀の逃げ場所は、

1.△2二銀(先手不満なし)

2.△3四銀(先手良し)

3.△4四銀(先手やや不満)

 

1:△2二銀には▲6六角と打ち、△4四歩を防ぎつつライン攻めを見せる。以下の攻め筋は、▲2四歩△同歩▲同飛としてから▲7五歩△同歩▲7四歩などがある。

 

2:△3四銀には▲2四歩△同歩▲6六角が手順を尽くした攻めで先手が良くなる。△3四銀には▲5六角という手も考えられる。

 

3:△4四銀には▲3四角と打ち、以下△4一角が受けの形で一旦落ち着く。形勢だけ見れば互角だが、勢い良く仕掛けた先手にとっては不満が残る。△3六歩と伸ばされる手に注意。

 

 

以上で▲4五桂速攻の研究を終える。RAYの記事(http://shogi98.hatenablog.com/entry/2017/07/03/005447)にもあった通り、▲4五桂速攻と言っても色々な形がある。上URLの形では△6五桂に▲6六銀と上がっても、後の▲7四歩が響かずただの利かされになってしまう。このように、実戦で使うにしても本ブログで紹介した手筋を基本とした上で、その都度成否を確認する必要がある。仕掛けた側が全ての変化で良くなるわけではないが、一つの形として覚えておくと序盤の幅が広がる。

 

 

次回は横歩取りについて書きます。当面は1週間毎に投稿しようと思っています。

 ↑

次回は対雁木早繰り銀に変更します。

 

 

追記

ネット将棋で▲4五桂速攻を指していて気付いたことがあります。それは、先の変化が一瞬で思い浮かぶということ。実際に指していてここまで安心できることはありません。恐らく、ブログに書いたことで頭の中で手順が整理されたからだと思います。今はまだ一つ記事を書くのにも時間がかかってしまい非効率な面もありますが、棋力向上のための1つのツールとして有効活用していきたいです。

将棋におけるメカニクス(あるす)

こんにちは。
れいくんがすごいやる気になってて申し訳ないから僕も書きます。
ちょっとした小噺なのでおつまみ程度に戯言へのお付き合いを願います。

 

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将棋で「位置エネルギー」という言葉を用いたことがありますか?

 

将棋界で位置エネルギーと言えば、平成25年度看寿賞(中編)を受賞した、久保紀貴氏作の詰将棋位置エネルギー」が最も有名かもしれません。


興味のある方は作者がブログで詳しく解説されているのでそちらをご覧になってください。

くぼの詰将棋 詰将棋パラダイス 2013.11 大13 「位置エネルギー」

ただ、詰将棋は今回の話題とはあまり関係がないので紹介に留めておこうと思います。

 

 

私が将棋において初めて「位置エネルギー」なる言葉を聞いた時はネタとして使われていたのですが、今考えてみると面白い考え方だと感じています。

 

 

ネットで調べてもなかなか出てきませんが、とあるブログが面白いことを言っていました。

 

位置エネルギー - 雁木ぶっぱ

ここから導きだされるのは、将棋において位置エネルギーを重視して指し手を進めていくと、エントロピーが増大していく、という仮説です。

 

こういう将棋で気を付けないといけないのは、エントロピーが増大した状態で位置エネルギーが失われる(=位を逆襲される、位支えていた金銀が剥がされる、など)ことで、そうなるとあとは裸の王様に惨劇が訪れるのを待つだけになります。最後まで高い位置エネルギーを保ったまま押し切らないといけません。

逆に、位置エネルギーが低い=エントロピーが小さい将棋というと、もちろん穴熊なわけですが。実は穴熊戦においてこそ、この位置エネルギーという考え方は重要なのではないか、と思ってます。

 

大変面白い考察と思いました。

 


この記事の著者同様に私も文系人間なので、細かい定義などは曖昧のまま文を続けるのでご容赦を。

 


位置エネルギーを重視するとエントロピーが増大する”とありましたが、稀に相居飛車で互いに位を取り合った時はエントロピーの小ささを維持したまま位置エネルギーを高めていく局面は現れます。


昭和の名棋士、灘蓮照の有名な四段端玉の局面(下図)は互いにエントロピーは比較的低いままだと思いますが、

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基本的には高い位置エネルギーを維持するためには1マスずつしか進めない金駒では、人間が意図的に操作する将棋でもエントロピー増大の法則の影響下に置かれやすいと言えます。



ここまで考えて、エントロピーの基準となるのは金駒のまとまり具合であることに焦点を置きました。

 

私は最近、東大チェスサークルに通うくらいにはチェスに傾倒していたのですが、攻撃力の高い駒が多いチェスと比べ、将棋の金駒はどちらかと言えば玉の防御のためにある駒で、終盤では時に飛車以上に価値が高騰することがあります。

エントロピーの大小に関わらず、高い位置エネルギーを維持したままの戦いが巧みである≒金銀の使い方が上手いと言えるでしょう。皮膚となる歩や支えとなる桂などの使い方も重要ではありますが。

 


まぁだからなんだと言えばそれまでの話なんですが。

私も昔は位置エネルギーが高い将棋が好きで、雁木を指して盛り上がりの将棋をしたりしていたのですが(完全にハチワンダイバーの二こ神さんの影響ですね)、今思えばかなり金銀の使い方に問題があった気がします。


こうした将棋が好きな人は自分の将棋を検討して金駒の運び方に改善点がないか調べてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

将棋とチェス関連の話のついでとしてもうひとつどうでもいい話をすると、両者は持ち駒の有無という大きな違いがあります。

 

 

チェスは駒の交換という概念がなく、互いに駒を取り合うと徐々に駒が少なくなっていきます。これは盤上と盤外で出入りがあるということで、即ちチェスの環境は物質的に開放的であると言えます。

例外として、プロモーションによって強力な駒が盤上に現れることもあります。

小島さんのツイート(下)にあるように、クイーンが3つ並んで盤面にブラックホールが出現することもあるようですね。

 




対して将棋は駒を二者間でやり取りし、持ち駒を含む局面全体の総量は常に等しく、終局まで変わりません。即ち、将棋の環境は物質的に閉鎖的であると言えます。

閉鎖的という言葉は、鎖国下の日本で盛んになった将棋を形容するのにぴったりだと思いませんか?

いや関連はないですが。

これもだからなんだという話でしたね。

 

 

 


本当にどうでもいい話しかしてなくて恐縮ですが、読んでくれた方がこれを何らかの思考の種にして、あまり広げられずに終わった私の思考を引き継いでくれれば幸いです。



(久保さんとバリンさん、ブログを勝手に引用して申し訳ありませんでした)

アマ名人戦愛知県予選 反省記(Ray)

7/2(日)、名古屋港湾会館で行われたアマ名人戦の愛知県予選に参加しました。

 

結果から言うと、2連勝で予選を抜けた後、決勝トーナメント2回戦で撃沈。力が足りませんでしたね…

 

予選1回戦の将棋が前回のやきとりの記事と少し重なるので、勝局ですが反省も込めて振り返ろうと思います。

 

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(図1)

手前(後手)が私。都合上先後を入れ替えて表記させていただきます。

今、先手から△7五歩▲同歩△6五桂と仕掛けられた所。

「これ知ってる!進研ゼミで見たやつだ!」…と喜んで▲8八銀と引いたは良いのですが…

 

(図1以下の指し手)

▲8八銀△4五歩▲同歩△5五銀(図2)

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(図2)

4筋を突っ掛けて銀を出られ、もう分からなくなりました。恐らく向こうは研究してたハズなので、流石に不勉強でしたね。

▲5六歩には△2四角と打つ手があり、銀が取れないどころかコビンに角のラインが直撃して一気に敗勢に陥ります。

放っておいたら8筋で一歩交換された後、4筋や7筋で使われて攻めが続いてしまいます。

反撃の手段も乏しく、▲7七桂と跳ねました。

 

(図2以下の差し手)

▲7七桂△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△4六歩(図3)

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(図3)

▲7七桂は他に指す手が無いから、といった感じの手ですね。

本来▲6六歩として桂馬を殺せるように▲8八銀と引いたのに、自ら桂馬を換えてくれと行くのですから明らかに流れがおかしい。

一歩交換に満足して飛車を引かれても苦しかったと思いますが、最短の勝ちを狙って△4六歩と指されました。

優劣はともかく、ここで引くようでは男が廃ると本譜は取り合いに。

 

(図3以下の指し手)

▲8六歩△4七歩成▲6一飛△2二玉▲6五桂(図4)f:id:shogi98:20170703003827p:image

(図4)△4七歩成は取れないので、攻め合う一手。△4八と~△4七角が回る前に攻めきらなければなりませんが、▲6五桂が玉の退路を作りつつ攻め駒を増やす価値の高い一手。

ここで、苦し紛れの▲7七桂が生きて息苦しさが一気に解消された感じです。

 

(図4以下の指し手)

△4八と▲2五桂△2四銀▲4四桂(図5)

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▲2五桂に△2四銀がどうだったか。本譜▲4四桂で後手玉に詰めろが続く形となり、そのまま押し切りました。

 

一局を通した感想としては、仕掛けの筋を知らずに飛び込む変化では無かった、といった所でしょうか。△4五歩~△5五銀の筋を知っていれば▲8八銀ではなく▲7六銀と立っていたでしょうし、▲7七桂のような手を指す必要も無かったでしょう。

 

今はもう仕掛けどころか終盤まで研究されているような時代で、特にこの角換わりのようなホットな戦型に無知を承知で飛び込むのは、飛んで火に入るなんとやら。

仕掛けの成立条件や、その受け方をひとつひとつ洗っていかねばならないと思い知らされた一局でした。

 

 

p.s.あるす、土曜に記事書くって言ってたやん…おこ