'98将棋ブログ

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関東・中部・関西・中四の同期5人による共同ブログです

イメージと読みの'98ブログ1:初手の最善手は?

こんにちは。あるすです。今回、「イメージと読みの将棋観」から思いついた、ブログメンバー全員で特定の戦型や局面について話し合うということを始めていきたいと思います。

※人それぞれ考え方は異なると思うので、「そんな考え方もあるのか」という程度にお読みください。

 

 

~お題決め~

あるす(以下あ):お題どうする?個人的には最初ということで「各々が思う初手の最善手は?」とかありかなと思うけど

やきとり(以下や):同じこと考えてた。どんな将棋が指したいかによって初手も変わってくるから 各々の思想(?)を知れて面白いと思う

あ:それでは他の意見との兼ね合いで考えるのを避けるため、期限までに各自「初手の最善手は?」に対する回答を僕に送ってください。全員分集まってから発表します。

 

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ちなみに局面ペディアの有名局63196局のうち、初手の割合は

76歩:77.5%

26歩:20.5%

56歩:1.5%

となっていて他の手は0.1%にも満たないです

 

 

 

~後日~

あ:全員分集まったので発表します。

結果だけ言うと、あるす・Ray・やきとりが▲2六歩、ふりーじおが▲7六歩と実戦例の傾向とは逆の結果になりました。

4人のうち、実戦的な視点で考えていたのがRay・ふりーじおで、棋理的な視点で考えていたのがやきとり・あるすと別れました。

 

まず、実戦的な視点で考えたRay・ふりーじおの2人の意見を紹介します。

まずRay

概念っぽくしか言葉に表せないけど、▲7六歩は特に相手に制約を与える訳ではないけれど自分の可能性の幅も狭めない、といった手だと思う。居飛車党でも振り飛車党でも自然な手だし。

一方で▲2六歩は自分の作戦も限定しているけれど、△3四歩▲2五歩△3三角…

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となってしまえば後手の横歩取りや4→3戦法、ゴキゲン中飛車を封じているといった点で非常に相手に制約を与える手なんじゃないかなぁ。矢倉も組みにくそうだし。

だから、個人的にアマチュアの持ち時間が短くて相手が何を指すか分からない大会とかでは、初手は▲2六歩が優れて居るんじゃないかと思う。最初から居飛車やる、って決めておけば飛車先を決めるのは損だと感じないだろうし、それより指したい戦法を封じられた後手が不満に思う展開の方が多そうだから。

同じ理由で、▲5六歩も研究範囲を絞ることが出来て良いと思う。少し自分の選択肢を狭め過ぎてる感じもして俺は指さないけど…

中学生の頃は振り飛車やる、って分かってる相手と当たったら筋違い角やってたなぁ。誘導率高いし、振り飛車封じられて良いやんけ!って思ってたんだけど、普通に欠陥戦法だと感じ始めて指さなくなってしまった(笑)

あと、地元の振り飛車党達に「性格が歪んでいる」「いやらしい」等酷評を受けたのも指さなくなった原因かな…(遠い目)

自分が好きな戦法を指せる初手が良い手なんだと思う。現状自分は▲2六歩が最善の初手だと思ってる。

初手▲6八銀の研究とかもいつか記事にしたいねぇ。研究してみようかな(笑)」

 

次にふりーじお

「初手は▲7六歩に落ち着いた。端歩は考えたことはあるけど相手の戦型がわからない状態で突くのは微妙だったからやめてる。あと▲2六歩も指すけど、▲7六歩から振り飛車の含みを持たせた雁木風の駒組も捨てがたくて…」

 

2人の意見は、「相手の戦法を絞る」という意味で▲2六歩を推奨したRayと「自分の戦法の幅を広げる」という意味で▲7六歩を推奨したふりーじおで意見が別れました。

 

 

次に棋理的に考えた僕とやきとり。

こちらは考え方は結構似てました。

 

やきとり

「『初手の最善手は?』

盤上真理の意味なら初手の最善手は▲2六歩。理由は先に指せる得を最大限に生かしていると思うから。先手で必勝手順があるとしたら、初手▲2六歩から最速で攻めていって後手の受けがどうしても間に合わない、という感じになるのかなあ。▲7六歩と迷ったけど、手広い▲7六歩は相手の手を見てから指せる後手の最善(2手目△3四歩のこと)と思う。あと▲2六歩と▲7六歩以外は初手で指すと無駄手になる可能性が高い。よって初手の最善手は▲2六歩。」

 

最後にあるす

「初手の最善手は▲2六歩だと思う。将棋で最強の駒といえばやはり飛車で、その駒を活用することが初期局面での最善と考える。

▲7六歩は角を活用する思想の手だけど、同時に角を交換する変化になりやすいことを意味してる。最近の将棋で、後手が一手損角換わりでさらに△6二銀~△5一銀~△5二銀~△6三銀、また△5二金~△6二金と手損しながら待機し、先手の仕掛けを逆用して後手が勝利する対局があった。

(佐々木勇ー阿部健、王座戦

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https://shogidb2.com/games/8325db5a7fa093f67fd7850a8a23288ca8d4cca5#lnsgkgsnl/1r5b1/ppppppppp/9/9/9/PPPPPPPPP/1B5R1/LNSGKGSNL b - 1

このように手損を厭わず待機されるとプロ棋士でも正しく攻めるのは困難。

角交換した形は駒組みが飽和して千日手になりやすいし、また自分から角道を閉ざすと、主導権を握られやすい。

最近は角道を自ら閉じて雁木を目指す将棋が流行ってるけど、早繰り銀や右四間、△6二金型など攻撃力の高い陣形を組まれやすいから相当受けの力がある人じゃないと指しこなせないと思う。

以上の理由から▲7六歩は▲2六歩に比べて後手側が得する変化が相対的に多いと感じてる。よって、先手の利を生かして主導権を握りに行くための初手は▲2六歩だと考える。

ただ、以上の考えは角交換型→千日手になりやすいという現状に基づいているから、本当に突き詰めていくと▲2六歩でも▲7六歩でもどちらでもよくなるかも。」

 

以上で全員の発表を終わります。

 

 

 

~実戦的なはなし~

あ:まず実戦的な考え方の話からいこう。実戦的に勝てる指し方を狙うのであれば、やはり2人が分かれたように

①自分の可能性を捨てても相手の可能性を狭めて研究を深める

②自分の可能性を最大限広げて相手に合わせて変える

この2通りがあると思う。

や:①は▲2六歩・▲5六歩・▲6八銀ってとこ?

あ:そんな感じだね

Ray(以下R):だな。どれも共通して

▲2六歩→居飛車やります

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▲5六歩→中飛車やります

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▲6八銀→引き角やります

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っていう意思表示って印象の手。

あ:②は▲7六歩・▲1六歩・▲9六歩とか、とりあえず損にならない様子見の手。

ふりーじお(以下ふ):いろいろ気分で変えたいよね

や:あ、①は▲7六歩△3四歩▲7五歩もありそうだね

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あ:▲7六歩△3四歩▲2二角成も相当主張強い①

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R:俺もその意味で少し筋違い角に言及した。自分の選択肢狭めてるどころの話じゃないけど

あ:「性格が歪んでる」「いやらしい」

や:???「筋違い角する人はモテない」

R:あぁん♡

ふ:ええ… (ドン引き)

あ:そういえば僕は昔3手目に角交換して相手が居飛車なら右玉、振り飛車なら左玉やってたけどそれは②になるなぁ。ただ①の要素もある…最強戦法では?

や:闇と光が備わり最強に見える

や:Rayもやってなかったっけ?右玉か左玉かってわけではないけど

R:細川大市郎先生の流派と言うか。▲7六歩△3四歩▲2二角成△同銀▲6八銀ね

ふ:角換わりか振り飛車って選択肢にするのもありそう

あ:そういやある縦の将棋が得意な人が3手目角換えて角換わりか相振りやってた。なお陽動振り飛車やられると困る模様。

R:優秀に思えてきた。手損してるわけだけど

や:ちなみに二人は今それやってないけどなぜ?

あ:僕は玉が薄すぎて格下に一発入れられる割に格上に全く勝てなくなったからかな。実戦的な選択だったけど実戦的に勝てない()

R:俺は手損に抵抗を感じるようになった。角頭歩を指すのも一手で△2二飛と回りたいからだし。

あ:手得主張ニキかぁ

R:角交換振り飛車されたら有り難いと感じるようにまでなってしまった

R:▲6八玉△8八角成の交換は居飛車持って全く嫌では無いし

ふ:角交換振り飛車やってて勝てないしなぁ

R:一時期千日手狙いで指してたけど、居飛車はよっぽど穴熊とか組もうとしない限り手詰まりにもならないし

あ:角交換振り飛車は「手損なんか関係ねぇ!俺は俺の形を指すぞ!!!」って人がやる戦法だし…

あ:たまに▲2六歩△3四歩▲2五歩で△3三角上がらせても△8八角成って換えてくる人いるよね

ふ:さすがにそれは見たことないわ。それで敗因手損だったら泣きそう

あ:最近の角換わりと初期のKKSは持久戦にして手詰まりにするのが狙いだからなぁ

や:角交換系は手詰まりになりやすいよね

ふ:角換わり手詰まりにならんくない?実際隙なく待つの難しい

R:なんだかんだ先手が仕掛けて打開するイメージはある。お互い研究してないと攻め切るのも受け切るのも大変な印象

ふ:それで意外と手になるやつ

あ:後手は受けに自信あるって人がひたすら待機してる感じだよね

あ:たぶん後手で一番隙がない待ち方が△6二金型で、玉や銀や8筋の歩の位置の違いはできるけどどの形にも攻めが成立するとしたら角換わり後手は厳しいと思う。

や:その辺 角換わり難しくて指す気になれない

ふ:だって角交換した方が楽しくない?

R:まぁ分かる。人によるとしか言えんがw

や:かくこうかんたのしくない;;

 

 

 

~実戦的な話のとりあえずの結論(?)~

あ:①と②の話だけど、②のほうが将棋楽しんでる感あるけど研究する時間が限られてるアマ的には①のほうが勝ちやすさ的にはいいと思う

ふ:時間それな

あ:「棋は対話なり」が将棋の楽しみ方って言われたら何も言えんねぇ…

ふ:コミュ障だししゃーない

R:俺も一応アマ的に勝ちやすいのは、って注釈付きで▲2六歩を推した訳だし、真理とはまた別ね

 

 

~棋理的なはなし~

あ:棋理の話に移りたいけど正直論理的に説明できるほど将棋理解できてないんだよなぁ

R:それな

ふ:ただ居飛車が正解の気もするけど

や:真理は居飛車な気がする。気がするというだけ

あ:振り飛車って飛車を横に使う分手損だと思うんですよね(多くの将棋指しを敵に回す)

や:不利飛車理論やめて;;

R:美濃囲い堅いぞ美濃囲い

ふ:美濃ってソフトの点数的にどうなんだっけ?

や:美濃自体は評価高い 飛車振った瞬間は-200くらいになるけど組み上がったら大体互角になるって菅井先生が言ってた。

R:金と銀の位置関係が高評価だったハズ

あ:こじつけて言うなら、初期配置で5一に相手玉がいるから中飛車最強ってことにもなる。

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R:中飛車かぁ

あ:阿部健先生とかが「先手中飛車は必勝戦法になり得る」って言ってた気がする。ただ、居合い抜き急戦が出る前の話だったと思うから今も同じこと言うかわからない...

や:先手中飛車って相振りになったら大丈夫?

あ:穴熊は実戦的なだけで潰れててもおかしくないけど普通の相振りは研究すれば戦えると思う。中央取って相手の進展性を妨げるという主張になる

R:相振り中飛車で▲5五歩と▲7五歩取れたら最高。後手は△6四歩が突きにくいのよね

ふ:三間側が5筋反発もしにくいやろうしな

R:普通に相振りになって、後手が平美濃から進展できないなら相当大きな主張だと思うんだよなー

や:低く構えて速攻が相振りのテーマだから特に気にならないのでは?これも菅井先生が言ってた。ただ上手く攻められなかったら進展性で不利になるから難しい指し方なんだけど。

ふ:まぁ最近はそうやな

あ:相振りは基本的に後手番が軽いよね。▲7六歩△3四歩▲6八飛スタートはなんとも言えんけど

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R:相振りは定跡の整備が全く進んでないから、こういう分野を自分達の手で開拓したくもあるよね

ふ:特に中飛車は面白そう

R:研究意欲高まって来たぞ

あ:未来への課題にしますか~!(良い感じに収めた風)

 

 

ということで、第1回の話し合いはここで終了です。

まとめるなら「俺たちの研究はまだ始まったばかりだ!」といったところでしょうか。

LINEグループを用いた話し合いでしたが、実際の会話はもっと話がそれたり別の話題をまたいだりしていて多くの部分をカットしているので、編集するのが大変でした。

では、(あるとすれば)次回の「イメージと読みの’98ブログ」で会いましょう。