'98将棋ブログ

'98将棋ブログ

関東・中部・関西・中四の同期4人による共同ブログです

序盤アイデア:相三間飛車編(やきとり)

   今回は菅井ノート先手編を読んでいて気になった点があったので、アイデアとして記事にして残しておきます。

 

   初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩△3五歩▲7八飛△3二飛▲5八金△5二金▲4八玉△6二玉(1図)

f:id:shogi98:20171216130017j:image

(1図)

   1図が今回のテーマ図です。

   菅井ノートに書いてあった1図での候補手は▲4六歩と▲7六飛。▲4六歩は高美濃に組む狙いですが、受け身な展開になるので先手の作戦としては不満です。

   よって▲7六飛(2図)として△3六歩を防ぎます。

f:id:shogi98:20171216131333j:image

(2図)

   ちなみに、1図で▲7四歩は以下△同歩▲同飛△3六歩▲同歩△8八角成▲同銀△5五角(途中図1)

f:id:shogi98:20171216150254j:image

(途中図1)

▲2八角△8八角成▲9一角成△7三歩(参考図1-a)で後手優勢です。

f:id:shogi98:20171216130756j:image

(参考図1-a)

   途中図1で▲7七角なら、以下△1九角成▲1一角成△7二香(参考図1-b)で後手優勢。

f:id:shogi98:20171216150208j:image

(参考図1-b)

 

   よって1図で▲7四歩は成立しません。

 

   2図に戻ります。

f:id:shogi98:20171216131706j:image

(再掲2図)

   2図で△7二銀は▲2二角成〜▲8二角。△8二銀なら金無双に限定して先手満足。また△3六歩は、以下▲同歩△8八角成▲同銀△5五角▲7七角△1九角成▲1一角成△2九馬▲2一馬(3図)

f:id:shogi98:20171216132442j:image

(3図)

で次の▲3五香が厳しく先手良し。よって2図では△3四飛として、以下▲7四歩……というのが菅井ノートに載っていた手順です。

 

    しかし、3図では△4五桂(4図)でどうかというのが気になった点です。

f:id:shogi98:20171216134030j:image

(4図)

   4図で▲3五香なら△3四香。

f:id:shogi98:20171216134500j:image 

   以下▲3二馬は△同銀とした手が先手玉への詰めろ(△3七角)、▲同香なら△同飛として△3七香や△1四飛の狙いがあり後手良し。

    また▲3五香に代えて▲4六歩は△6五馬が飛車当たりな上に△3六飛が生じるため無効。▲5九玉の早逃げも△3四飛が気持ちの良い活用です。

   結局4図では▲3五桂や▲7七銀とするのですが、△3七香・△1九馬〜△5五馬・△3四飛など指したい手がたくさんある上に玉が安定しているので後手が面白そうです。

 

   1図に戻ります。

f:id:shogi98:20171216141024j:image

(再掲1図)

   では、上図では何を指せば良いのでしょうか。

   ▲7四歩が成立しないのは前述の通り。▲7六飛も△3六歩から仕掛けられます。とりあえず△3六歩を防ぎたいのですが、▲7六飛がダメだと直接的に防ぐ方法がありません。

   そこで1図で▲7四歩が成立しないことと、先後同形であることを利用して▲1六歩か▲9六歩として手を渡すことが考えられます。つまり1図で▲7四歩は角交換してから△5五角の筋で失敗したため、同じ筋を見せて△3六歩を牽制するということです。

   まずは▲1六歩から見ていきます。

▲1六歩△3六歩▲同歩△同飛▲2二角成△同銀▲7四歩△同歩▲5五角(途中図2)

f:id:shogi98:20171216151259j:image

(途中図2)

   途中図2で△3三角なら、以下▲9一角成△9九角成▲3八香(参考図2-a)で先手優勢。

f:id:shogi98:20171216152044j:image

(参考図2-a)

   したがって途中図2で△8二角として、以下▲2二角成△1九角成▲3七歩(参考図2-b)

f:id:shogi98:20171216151807j:image

(参考図2-b)

   ここで△1六飛があるため後手良し。

 

   よって▲1六歩は△3六歩で後手良し。

 

   次に▲9六歩。▲1六歩の時と同じ手順で進めて途中図3。

f:id:shogi98:20171216152643j:image

(途中図3)

   上図で△8二角は参考図2-bで▲1六歩が▲9六歩に代わった形になり、△1六飛と出来ないため先手優勢。よって△3三角とします。

   △3三角以下、▲9一角成△9九角成▲8一馬△8九馬▲6五桂(参考図3)

f:id:shogi98:20171216153109j:image

(参考図3)

   手順中、参考図2-aで▲1六歩が▲9六歩に代わった局面を経由することで▲3八香に△9六飛を見せて参考図3まで進みます。

   参考図3以下は▲7四飛を防いで△3四飛、対して▲3七歩(結果図)でキズを消しておくくらいでしょうか

f:id:shogi98:20171216154128j:image

(結果図)

f:id:shogi98:20171216153505j:image

(再掲4図)

   反転させればよく似ている4図と比較すると、結果図では後手の飛車先の歩が交換できているため後手がやや良いと思います。

 

   よって▲9六歩は後手やや良し。

 

   以上のように、いずれも端歩を突いたことで△3六歩が成立します。1図で▲7四歩が成立しないのに、先手が先に指すことで△3六歩と指せるようになるのは面白いですね。

 

〈まとめ〉

   似たような局面がたくさん現れ、非常にややこしくなってしまったため簡単にまとめておきます。

 

f:id:shogi98:20171216172532j:image

(再掲1図)

1図以下、

▲7四歩→後手良し

▲7六飛→後手良し

▲1六歩→後手良し

▲9六歩→後手やや良し

 

   このように、△3六歩を防ぐ手段は全て後手有望です。よって先手は△3六歩を甘受するしかないのですが、それなら後手満足だと思います。

 

 

追記

   投稿後、参考図3で▲6五桂に代えて▲6四桂があるのではないかと指摘を受けました。

f:id:shogi98:20171217062207j:image

   △同歩なら▲3六馬ですし、金を逃げるのは酷い利かされです。したがって上図では勢い△3九飛成▲同玉△6四歩とします。

f:id:shogi98:20171217062444j:image

   一応2枚替えで後手の駒得ですが、飛車を渡したデメリットも大きそうです。まだまだ難しいですが、これは先手指せるでしょう。

 

   では1図で▲9六歩で良いかと言うとそれは早計で、さらに△1四歩があります。

f:id:shogi98:20171217063430j:image

   先ほどの▲6四桂と同じ筋を見せて▲7四歩を牽制しています。確かに上図で▲7四歩とはできないのですが、今度は▲7六飛がありそうです。以下△3六歩から4図で▲9六歩と△9四歩の交換が入った局面に進みます。

f:id:shogi98:20171217064006j:image

   この時に△1四飛がないというのが主張です。実際、▲3八香と打たれると攻めを続けるのが難しいです。

f:id:shogi98:20171217064246j:image

   もし▲9六歩と△1四歩の交換が入っていなければ△2四香▲4六歩△2七香成▲4五歩△3四飛で△1四飛を見せて後手が指せるのですが、上図ではそれがありません。

   

   ということで結論が変わります。

f:id:shogi98:20171217063223j:image

(再掲1図)

   1図から▲9六歩△1四歩▲7六飛で先手は当初の目的を達成。以降、端歩の突き合いがどう影響してくるかも調べてみたいところですが、一応疑問は解消できたのでここで終わります。