'98将棋ブログ

関東・中部・関西・中四の同期4人が共同ブログを始めたようです

横歩取り勇気流対策〜△7四飛ぶつけ〜 続き (やきとり)

前回→http://shogi98.hatenablog.com/entry/yktr6

 

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(基本図)

 

この局面の前例は二局あり、どちらも△2八飛(1図)と打っている。

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 (1図)

 

(参考)

・第30期竜王戦決勝トーナメント 羽生三冠 対 村山七段

・第76期順位戦A級2回戦 広瀬八段 対 稲葉八段

 

 一目△2八飛には、少なくとも良い手ではなさそうといった印象を受ける。と言うのも次の狙いに乏しいからだ。例えば1図で▲9六歩と一手パスして、以下、▲8八角成▲同銀△2七角には▲2九歩△3八飛成▲同金△同角成▲4五桂(参考図)まで一本道だが、流石に無理攻めだ。

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(参考図)

参考図は次の▲5五角と▲8三角が同時に受からない。

かと言って▲9六歩に△2六歩は▲2九歩で全然ダメ。

となると△2六飛成くらいで、これが何ともない……と考えていたが、次の△3五歩▲同歩△3六歩が厳しいことに気付いた。以下、▲4五桂と反撃しても△8八角成▲同桂△3七歩成は後手勝ち。

 

△2六飛成が意外と受けにくいとなれば、△2八飛には前例通り▲2七歩が正しい。次に▲3九金があるので▲2七歩には△2六歩が絶対手だ。このように進めるとかなりの手数が一本道で決まる。

即ち1図以下、

▲2七歩△2六歩▲3九金△2七歩成▲2八金△同と▲4九銀△3九と▲5八銀△3八と▲4五桂△8八角成▲同銀△4八と▲6九銀△8七歩(2図)

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(2図)

 

恐らく2図は△7四飛ぶつけの最新形と思う。

 

△8七歩に対応が分かれて、羽生ー村山戦では▲同銀△8八歩▲同金△5九角▲7九玉△5八と▲7七角(3図)と進んだ。

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(3図)

△5八とがはっとする手だが、▲7七角が冷静な受け。▲7七角に代えて▲7八金だと、以下、△8六歩▲7六銀△6九と▲同玉△4八角成でまだまだ難しいが、やや守勢すぎるきらいがある。

 

▲7七角以下、

△6九と▲同玉△4八角成▲1一角成△5七馬▲5三桂成△4一玉▲6八飛(4図)

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(4図)

▲7七角と打てばこう進むところ。

 

4図最終手▲6八飛に代えて▲1八飛だと、△5八歩▲同飛△同馬▲同玉に△3八飛が受けづらい。▲4八香には△5六歩、▲5七玉には△3三桂の味が良い。

 

4図以下さらに進めて、

△4二銀▲5八香△6八馬▲同玉△5三銀▲同香成△3八飛▲5八歩△5七歩▲5四角△5八歩成▲7七玉(5図)

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(5図)

 

5図で本譜は△7五金だったが、代えて△6四金(参考図)があった。

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(参考図)

実は△6四金は詰めろ角取りになっている。

例えば参考図で▲2一馬と指すと、△8五桂▲8六玉△7五金▲9六玉△9五銀▲同玉△9四歩▲8四玉△8三歩▲同玉△7二金▲8三玉△7三金までの詰みがある。△8五桂に▲6六玉と逃げても△3六飛成(▲同角は△6五銀で詰み)が好手でやはり詰む。

 

 ということで広瀬ー稲葉戦では2図で▲7七銀(6図)と手を変えた。なお、途中で▲8二歩△同銀の交換があったため羽生ー村山戦とは微妙に形が違っている。

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(6図)

本譜は6図以下、

△8八金▲同銀△同歩成▲同金△3三桂と進んだが、以下▲8五飛△8四歩に▲4一角が好手で先手が一方的に攻め勝つ将棋になってしまった。

かと言って△3三桂に代えて△8七歩▲同金△8六歩▲8八金△8七銀は、以下▲2六角△4二銀▲5六飛(参考図)が受けづらい。

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参考図で△6二金なら角と桂馬を切って▲5一飛から詰む筋があり、5筋は受からない格好だ。開き直って△8八銀不成も、▲5三桂成△4一玉▲5二金△同金▲同成桂△3一玉▲4八角と決めるだけ決めてからと金を抜いてしまえば先手勝ちだ。

 

6図で△8八金としても上手くいかないので他の手を模索するが、中々良さそうな手が見つからない。

 

そこでもう一度6図を冷静に見つめ直してみる。

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(再掲6図)

 

局面自体は後手の駒損(飛車金交換)で、4八のと金を頼りに攻め続けるしかない状況だ。おまけに4五の桂馬が5三を睨んでいるのも形勢に大きく関わっている。

 

パッと見△7三桂と応援を送りたいが、以下▲2六角△4二銀▲4八角と、と金を抜かれて自信なし。△8八金は前述の通りダメ。△5九角も▲7九玉と引かれて二の矢がないどころか、次に▲6八銀上を見せられて余計に忙しくなってしまう。

 

となると変化球気味に△6四角(7図)か。

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(7図)

7図以下、

▲4六角△同角▲同歩△4七角▲7九金(途中図)

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(途中図)

 △5八金▲同銀△同と▲7八玉△8八銀▲同銀△同歩成▲同玉△6五角成▲8五飛(8図)

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(8図)

やはり攻め切れない。

それならばと途中図で△7三桂と攻め駒を足してみる。△7三桂以下▲8三歩△7一銀▲8一飛△3三桂(9図)

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(9図)

……こちらは難解としか言えない。詰めろ流れの詰めろが頻出しそうでいくら読んでも読み足りない。したがってこれ以上は冗長なので割愛させて頂く。

 

横歩取り勇気流対策〜△7四飛ぶつけ〜まとめ〉

 

・△7四飛には▲同飛△同歩▲3八銀までが定跡

・そこで手が広いが、△2八飛なら下図までほぼ一直線

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・以下△8八金なら先手良しだが、△6四角で難解