'98将棋ブログ

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関東・中部・関西・中四の同期4人による共同ブログです

後手横歩取り△4二玉(やきとり)

   お久しぶりです。何回か投稿してみて慣れてくると色々なことが気になって結局記事にするのを見送る、ということを繰り返していたら3ヶ月も経っていました。ブログの存在を忘れていたわけではないので悪しからず。

 

   今回は後手横歩取りの工夫について書きます。本稿を理解してもらうための前提として、筆者は相手を急かして動いてきたところを叩く展開が好みということを記しておきます。後手横歩取りはむしろ自分から動かないといけない戦型なので、その点を自分好みに工夫できないかと考えました。

 

    まずは先日行われた中四国将棋大会の一局から成功例を紹介します。

    初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛△4二玉(1図)

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(1図)※太字が本譜です

    △4二玉が工夫の一手。特に狙いの筋はないのですが、定跡を外して前述した好みの展開に持ち込もうとしてます。1図で▲2四飛には△8八角成▲同銀△3三角▲2一飛成△8八角成▲7五角△7六飛▲7七歩△7五飛▲8八金△2三角(参考図)

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(参考図)

    以下は▲5八玉なら△2二銀打、▲1一龍なら△6七角成〜△2三馬で筆者好みの展開です。簡単に▲2四飛と帰すと作戦負けになるので、一応その筋を防いでいます。

    実戦的に▲2四飛は指し辛かったのか、本譜は▲3六飛△8二飛▲8七歩△7二銀▲2四歩△8八角成▲同銀△2二銀▲2六飛△3五角▲5六飛△2四角(2図)と進みました。

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(2図)

    角は手放したものの、歩損を解消して飛車の位置も良く、自分から動かなくていいので好みの展開になりました。相手の方は角を手放した損の方が大きいと見ていたらしく、この辺りは意見が分かれそうなところです。なお形勢的には全くの互角でお互いに主張のある局面です。

    2図以下、▲4八玉△7四歩▲3八玉△7三銀▲2八玉△6四銀▲7七銀△3三角2七歩△2三銀▲3八銀△3四銀(結果図)

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(結果図)

    結果図は歩越し飛車に対する銀の圧力が大きく後手優勢です。歩越し飛車を解消させないための△7四歩が大事な一手でした(▲7五歩とされると飛車が広く▲7六飛が良い位置になる)。以下は飛車を追いつつ、動いてきたら素直に対応すればいいので楽な展開と言えます。先手は玉を囲う前に攻撃態勢を作っておく必要があったと思います。

 

    こうなれば作戦成功です。次も先日の中四国大会から、失敗例を紹介します。相手は今大会で中四国名人になった方です。

    1図以下▲5八玉(3図)

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(3図)

    一番困る手を指されました。というのも、事前研究では何も思いつかなかったので指されたらその時に考えようと思っていたからです。次に▲2四飛とされると△8八角成〜△3三角が成立しないので何か工夫しないといけないのですが、△3三角は青野流と合流する上、△4二玉と形を決めてしまっているため除外。本譜は何かの本で見た△8五飛を選択。狙いは△8六歩と△2五飛です。そこで名人は▲7七桂としてきたのですが、ここで△2五飛としても△2五飛△4二玉型の位置関係が悪いことに気付きました。と言っても△8二飛は悔しいので△2五飛。以下▲2八歩△7二金▲9六歩△6二銀▲3八金△3三角▲3六歩△2二銀(4図)

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(4図)

と進みました。……ナニコレ?右辺は6一地点が空いていて左辺は玉飛接近、3四桂の両取りもチラつきます。飛車もこの位置では使いづらく失敗感丸出しです。△4二玉が△5二玉なら全然見栄えが違いますが、手損なのでギリギリまでこの位置で頑張ろうとしていました。本譜はこの瞬間後手陣のバランスが悪いと見てか▲8三歩と動いてきました。形勢自体はそこまで悪くないものの、想定外の展開に力が出せず、中盤で一手ばったりの手を指してしまい負けました。△8五飛〜△2五飛がイマイチだったので別の手を考える必要がありそうです。

 

   ここまで二つの例を紹介しました。△4二玉は工夫と言うには完成度が低く、筆者自身手探り状態で指しています。目下の課題は▲5八玉に何を指すか、また結果図のような好みの展開に持っていくための必然性の高い手順を考えないといけません。そもそも△4二玉自体狙いが乏しいことに苦戦の原因があるような気もしますが…… ですがこうやってあれこれ構想を練るのは楽しいのでもうちょっと考えてみます。

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(再掲結果図)